2018年04月23日

郷土料理

                            「ひっつみ」と「もんぺ」
  
      夫の郷里、花巻を訪ねた日、新幹線の車内で昼食を済ませた私に「ひっつみ」だけでも食べるように
      とすすめてくれて、兄嫁と私のいる部屋に運んでくれた。
      夫から聞いてはいたが、見るのも食べるのも初めての事だった。だしの効いたすまし汁に、ごぼうや
      人参が入っていて、平たく伸ばした「ひっつみ」が入っていた。喉越しも滑らかで、とても美味しかった。
      丸めてあれば「すいとん」のようなものかもしれない。姪から作り方を教えてもらったが、話したいことが
      いっぱいで、調理法の途中で別の話に移ってしまった。機会を得ていつか作ってみようと思う。
      戦後の食糧難を知らないとは言わないが、生家は茶畑と稲作の農家であり、温暖な気候と風土に
      恵まれていたから、作物にも恵まれ、「すいとん」を食べた記憶が私には無い。
      「すいとん」は戦後の貧しさの中で代用食の時代があったようだが、誤解されないためにも
      (「ひっつみ」は郷土料理であり、戦後の貧しさには繋がらないことを特記する)
      
      私に於いて戦後の悲しい想い出と言えば、小学3年生の時の「もんぺ事件」だ。そのもんぺは
      父の袴を解いて母が拵えたため、上げ下げする度に「シュルシュル」音を立てるのだった。
      手洗いに行くたびに「あっ!〇〇ちゃんがいる」もんぺの音で、級友に見つかってしまうのだった。
      他のもんぺを穿かせてくれないなら「学校には行かないから」と毎朝不平を言う私に、業を煮やした母は
      「困った子だねえ、絹のもんぺは上等であたたかいのに...」と言い、それでも聞き分けない私に
      「いい加減にしなさいよ、そんな我儘ばっかり言って!学校をやめっちまいなさい!母さんは〇〇が
      学校に行かなくてもちっとも困らないからねッ!」と言い残し、さっさと畑仕事に行ってしまうのだった。
      仕方なく先を行く友達を追いかけるのだが、このもんぺを穿きたくない一心で、休み時間は勿論のこと
      毎日まいにち、日が暮れるまで滑り台で滑り、このもんぺは10日間ぐらいで(記憶では)擦り切れた。
      この話を母から聞いたらしく、夫は私のことを「筋金入りの根性だね」と言って大笑いするのだった。
      その後、母には「つまらないことを〇〇さんに言わないでちょうだい!必要があれば私から話すから」と
      口止めしておいた。「上質で温かい」などとは、大人の思うことであって「みんなちがってみんないい」
      などと、金子みすゞの心境に至るものではなかった。
      
      子が子なら、親も親?で、母には孫の私の子どもが「おばあちゃん、お母さんの小さい頃はどんな子
      だったの?」と、問われると私を前にして「ごめんなさいねぇ、あんたたちのお母さんは知らない間に
      大きくなっちゃったから...あんまり記憶が無いのよ」と。青天の霹靂とはこのことだ。
      私を除いて3人の家族は拍手喝采、夫に於いては後々までも「思い出し笑い」をして、私をイラつかせた。
      「思い出すほどおもしろいの?」「そうそうある話じゃないからね、いい意味で愉快じゃないか、
      おばあちゃんに軍配だね!自分じゃそう思わないの?」「思うもんですか!冗談じゃないわよっ!
      いい意味もへったくれもあるもんですか!好い加減にしてちょうだい!」
      決まって雲行きは怪しくなるのだった。

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                   敗戦日記憶の端にララ物資    ふきのとう  
 
       
               
      
    




     
posted by ふきのとう at 18:52| Comment(10) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月21日

茶房OUBLIE

                    午後の来客ドキドキワクワク
       ご近所に住む上級生、私が小学1年生に入学した時、6年生であり、手を引いて登校してくれて
       その後も何かとお世話になった方が、兄嫁から私が独りになったことを聞いて、今朝、電話を頂いた。
       午後に「お邪魔させて頂いていいかしら?」「どうぞどうぞ、嬉しいです。お待ちしています」
       偶にで出会っても長い時間話すことも無く、挨拶で終わっていたから.....久しぶりにケーキでも
       と思い、行きつけのケーキ屋さんへ。茶房も兼ねているこの店は、歩いて数分の所に有り
       知る人ぞ知る、ケーキの有名店で、遠来の客も多いと聞く。

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                茶房の入り口

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       店内にあるケーキをチョイスして、各種のお茶を飲むことが出来る。
       以前、私よりも10歳も若い友人から電話があり「今ウーブリエにいるの、あなたの分の
       お茶頼んであるから、気晴らしに来て、外に出なくっちゃ駄目よ!」と言われ、慌てて出かけて行った。
       ケーキは買に行くこともあったが、この時初めて茶房に入ったのだった。
       若い友人が気に掛けていてくれたことが、とても嬉しかった。2月の頃のこと。

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       チーズケーキとクッキーなどを買い、大先輩待つことに。どんなお話になるのか
       ドキドキ、ワクワク......。
              
                   
                   菓子の名の舌に縺るる夏はじめ     ふきのとう

               パソコンに向かってからの作句、季語の斡旋が難しい。要推敲。

       
posted by ふきのとう at 13:40| Comment(4) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月19日

私のboyfriend

        君影草
      昨日は夫を亡くした私の事をとても気に掛けていてくれるご夫妻を訪ねた。
      18歳の頃からお付き合いのある私のboyfriend夫妻だ。
      厳密に言えば13歳の頃から私が一方的に顔だけは知っていたという実に不思議な関係。
      彼は私の中学校時代の通学路を逆行して隣の市にある付属中学に通学していて
      3人の仲間と自転車で私たちの横をすいすい走って行くのだった。
      私達女生徒の間では白線入りの学帽を被り「付属」というだけで憧れの的でもあった。
      3人の中で「どの子が好み」かよく話題になったが、私は素知らぬふりをしてごまかしていたが
      選ぶとしたら、私達には眼もくれず、雰囲気が真面目に見えて、脇目もふらず、ひたすら自転車を漕いで
      いる彼が一番好いのではと思った。
      私が中学3年になると彼を見かけなくなったから1学年上級であったらしい、ぐらいに思っていて
      その後の行方は知らなかったが、18歳の夏、勤務先に休暇願を出し、自動車教習場に通う
      軽便鉄道の中で彼を見かけたのだった。
      余りの懐かしさに、彼の方を見ていると、席を立って私に近づいて来て、こう言った。
      「もしかして〇〇中学にかよってました?」「ええ、付属に行っていらしたでしょ?」
      国鉄の乗り継ぎ駅までの30分あまり、中学生時代のの話を懐かしくしたのだった。
      聞けば、私の実家の近くに越して来て、父親の跡を継ぐために今は指物と家具を製作していると言った。
      その時を切っ掛けにフランクなboyfriend関係は続き、私の婚礼家具も彼の店で調達し、彼の母親も
      一緒に新居となる大阪の高槻まで運んでいただいたのだった。
      当地に暮すことになって、挨拶に伺うと、大そう喜んでくれて、彼が私の家にも来てくれた時、3児の
      父親であることも知った。 先日彼の奥さんが電話をくれて
      「主人の大事なお友達だからとても心配になって...よかったらお見えになりませんか」
      とお誘いをいただき、雨上がりの田舎道を歩いて20分余りのお宅にお邪魔した。
      帰りがけに「お好きなお花がありましたら、ご主人様にいかがですか」と言われ、私は椿と鈴蘭、
      紫蘭を選んだ。「鈴蘭の別名はキミカゲソウっていうらしいのよ」「あら、いまの〇〇さんにピッタリ!
      」そんな会話をして帰路に着いた。

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                  すずらんのすずのひとつぶこぼれおつ   ふきのとう
      



      
posted by ふきのとう at 08:59| Comment(10) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月16日

はまぼうふう

              久しぶりの駿河湾
      家から3K、車で10分走れば白子漁たけなわの駿河湾に出る。
      句友の車に乗せてもらって久しぶりに海岸を散歩した。
      手堅い吟行句を作る句友はきっちりと見るものを見、ときおりメモも取るのだが
      元来吟行句が苦手な私は、浜辺の草に眼をやり、???発見!ハマボウフウである。
      幼い頃、釣りの好きだった今は亡き次兄が、釣り帰りに摘んでくるハマボウフウが好きで良く食べた。
      普通では生で食べないと言われるスズキも上手にさばいて「洗い」や「湯引き」にしてくれて
      ツマにはハマボウフウが添えられていて、この他にハマボウフウの茎は酢味噌和えに葉はお浸しや
      天麩羅にしてくれるのだった。早速摘んで帰り、お浸しと酢味噌和えで夕飯に頂いた。
      生前、この話を聞いた夫は「一度食べてみたい」と言うのだったが、
      海岸で探してみてもハマボウフウを見つけることは出来なかった。
      食膳の薫り高いハマボウフウを頂きながら、夫や兄のことに思いを巡らした。


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         浜防風摘む指先の熱りかな     ふきのとう

      

 
posted by ふきのとう at 19:21| Comment(4) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月12日

素晴らしいガーデン...春の編

              ラナンキュラス
      先日の朝、丘の上に住む友人から「ラナンキャラスがよく咲いたからご主人にお持ちします」
      と嬉しい電話を頂いた。ラナンキュラスは私も晩年大好きになった花だ。
      1週間は裕に過ぎた今も美しく夫と対面している。

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      若い時は自身の持てる勢いからか、嫋やかな花、ミヤコワスレ、カミソウ、ワスレナグサ
      シラユリなどをこよなく愛したが、高齢になり置かれた状況も手伝うのか、華やかで
      勢いのある花々に「気」をもらうことも多くなりつつある。勿論楚々とした花も好きだが。
      
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      「今、見頃だから登って来て」と言われ、一昨日訪ねた。家から約2キロ位あるだろうか。
      今日まで歩くと言ったら信用金庫までの0,8K位のもの。昨年の6月以来の長距離?だった。
      小高い丘の上は、茶の新芽も眩いほどの陽光に恵まれていて心地よかった。
      丹精の成果の表れている庭「ターシャの庭だわね!」思わず口を衝いてでた。
      初物の柏餅とお薄、お煎茶などをゆっくり頂いて「行きつ戻りつ」の私の話も嫌な顔もせず
      聞き入れてくれて、久しぶりに外出が楽しめたのだった。

            新しき花の名ひとつ花万朶     ふきのとう

      





posted by ふきのとう at 10:16| Comment(4) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月09日

カーリング???

              まことにユニーク
       孫とその友人の春休み中の遊びだそうだ。

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       デッキブラシと塵取りのようだが、カーリングと解るから不思議だ。
       ユニークな発想でなかなか面白い。祖母の私に似ていて少し野放図とも思える。
       自から希望して〇〇んとやらには行っているようだが塾らしい塾には行かず
       遊ぶのが大好きでたまらないらしい。
       両親が良いとしているのだから、私の口出しすることではない。

          日日を遊びて足りず春休み  ふきのとう
posted by ふきのとう at 20:05| Comment(2) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月06日

嬉しいお誘い

                 枝垂さくら
      「叔母さん、、どう、外へ出る気になった!いまからそっちに行くね!」姪からの電話だった。
      介護福祉士の姪が多忙であるにも関わらず、来てくれると言う。
      夫が未だ元気だった頃も「老人宅訪問(」笑って)と、言ってよく来てくれていた。
      今日まで何度も外へ出ることを誘ってくれたのだが、その気になれず、断っていた私に
      「兎も角出ましょ!」と......。
      姪の誘いに根負けして従った。ランチを一緒にしようと言うことだった。
      私の行きたい所が有れば、どこにでも行ってくれるというので「牧之原の方にあるんだけど
      少し遠いかしら、まって、空いているか電話してみるわね」席も空いているということで
      連れて行ってもらった。

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      この季節の店の象徴の枝垂さくらが満開であった。
      夫と昨年来たのが最後だったから1年振りに桜との再会となった。
      相変わらず店内は女性客で込み合っていたが、予約しておいたのですんなり、席に着いた。

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      細々と手塩皿にのせた、女性好みの料理も1年振りのこと、姪は初めてだったから
      大そう喜んでくれて、私も久しぶりに残さず頂いた。
      姪が希望校を受験する時、夫の許に良く通った。そのことにとても感謝しているのだと言う。
      その恩恵を私が、有り余るほど受けていて嬉しい。姪と夫に感謝しなくては。

             陵の風吹きくる枝垂れさくらかな       ふきのとう
      
      
      
posted by ふきのとう at 07:59| Comment(9) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする