2015年10月03日

小学4年生の作文

                  にこもり
       けさきゅうに寒くなって、いつのまにか花ばたけの菊もかれそうに
       ちょんぼりちょんぼりすみっこの方に残っています。
       うめの木もさくらの木も葉がみんな落ちて枝だけすいすいのびてみの虫がぶらさがっている。
       井戸ばたで私の息もけさは白く見えてなかなかひえます。
       ねこもかまどの横でまんまるく首をすっこめてねています。あまり寒いので私はかまどのまえで
       火くべをしていましたが、ふと思いついてゆうべのお魚のおしたじを戸だなに見にいった。
       おなべのふたを取ってみるとにこもりになっている。うれしくてたまらない。
       指でおさえてみたらようかんのような感じがした。 それを少しなめてみたら口の中でとけてしまった。
       私はこれが一番好きで、あばらって食べます。朝寒くて起きるのを思いやんでいても
       「にこもり」というと私はすぐにとび起きます。ほかほかしたごはんにのせて食べると
       大へんおいしいものです。タマもいつのまにかにおいをかぎつけて「ニャンニャン」
       ちゃぶだいに手をかけてくるのでいつも分けてやります。すると犬のチェリーも
       「クンクン」首をかたむけているのでチェリーにも分けてやります。 
       冬の朝の「にこもり」は私の好きなものの中のひとつです。

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       食いしん坊らしい私の作文、4年生の作文としては稚拙だが昭和27年の農家の朝の様子が
       垣間見える。ガリ刷りの文集、知り合いのお宅を解体した時に出てきたと言って私に
       届けてくれたのだった。授業で算盤を初めて習ったこと、授業参観に来る母がもんぺなのに
       なぜか黒い紋付の羽織であったこと、親友の克子ちゃんの家が倒産して引っ越してしまったこと
       など思い出す。驢馬が引いてくるパン屋さんが週一回来てパンを買うのも楽しみだった。
       担任教師は宮司もしていて、村祭りに招かれた事も有った。物資には恵まれずとも
       心だけはゆったりしていて、良い時代だったと懐古する。

       煮凝りも馳走でありし昭和の日    ふきのとう
       紋服の父祖が長押に煮凝れる     ふきのとう
     *「あばらって」当地の方言で「競う様に、自分ばかりが」とでもいおうか、
       方言を共通語にかえるのはとても難しい。
      「にこもり」が正しくは「に凝り」で冬の季語だと知ったのは俳句を始めた時のことだ。
posted by ふきのとう at 10:19| Comment(8) | 俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする